ソーシャルキャンペーン ケーススタディ

先週アトランタで開かれた、Razorfishの幹部会議Seat at the tableに参加してきました。昨年は、震災の直後の開催で参加できず、約一年半ぶりに幹部の面々と顔をあわせました。今回目の当たりにしたのは、この1-2年の間にRazorfishが大きな進化を遂げていることでした。

会議では、CEOのBob Lordからビジネスの概況や事業戦略について語られ、またCTOからビッグデータやマーケティングダッシュボードなど自社の技術面の取り組みの紹介など部門のトップからの話があったのですが、何より興味深かったのは、各オフィスから発表されるケーススタディでした。
その中でも、昨年Razorfish Internationalのチーフ・クリエイティブ・オフィサーに就任した、Daniel Bonnerによるケーススタディが秀逸でした。
彼は、元AKQAのチーフクリエイティブディレクターで、2010年には、英国のCampaigne Magazineでno.1 Digital Creative Director にランクされたトップクリエーターです。

NikeのWe run Parisでは、RFIDとFacebookを結びつけて、コース上に設置されたゲートを走り抜けると、走っている時の写真がウォール投稿されたり、ゴール直前では、楽勝なのか、もうダメ〜なのか、くぐったゲートによって、顔文字が投稿されます。Nikeのランニングイベントは世界各地で開かれていますが、こうしたソーシャルとインテグレートされたものは初めてで、イベントとして非常に波及力のあるものになりました。

ドイツのマクドナルド設立40周年のキャンペーンでは、Main BurgerというFacebookアプリを提供し、ユーザーに新しいメニューを作ってもらいました。そしてそれらのメニューに対してユーザーの人気投票を行い、クラウドソーシングによって、40周年記念の新しいハンバーガーを作ってしまうというものです。7日間で45000ものメニューが投稿されるなど、ネット上で大きな反響を呼び、過去のどのキャンペーンよりも大きな成果をあげたそうです。

これ以外にも、現在進行中の、ユニリーバのAXE ANARCHYキャンペーンでは、ユーザーからの意見をもとに、リアルタイムで書き起こされる、オンラインのコミックスで、意見を出してくれたユーザーがコミックスの登場人物として描かれます。コミックスは、2日おきにリリースされていきます。

こうしたソーシャルを核としたキャンペーンで大きな成果を上げているのですが、いずれのケースでも、ユーザーの参加意欲を掻き立てる、動機づけの部分にコアとなるアイディアがあり、その切れ味の良さが成功の秘訣なのではないでしょうか。そして参加したユーザーから拡散させる仕組みを丹念に組み合わせていくことも欠かすことはできません。例えば、Mein Burgerでは、自分が作ったBurgerを宣伝するためのバナーやポスターなどの素材をジェネレートする機能を組み込み、また優勝者はテレビスポットにも登場しました。こうした、実施上のきめ細やかさも、成功の秘訣だと思います。
日本でもこうしたケースに負けないプロジェクトを提案していきたいですね。