Razorfishのクライアントサミット

昨日・今日と、Bostonで開かれている、Razorfishのクライアントサミットに参加してきました。
これは、年に1回、クライアントを招いて、事例やソリューションの共有をはかる会議ですが、大変に盛況でした。
私は今回が初めての参加ですが、参加しているクライアントも100社を超え、一昨年からの不況を脱したかのように、参加者が多かったそうです。  

今回驚いたのは、スピーカーの豪華なこと。クライアントが主役の会議ですが、トップバッターは、今やソーシャルメディアを使いこなす流通の代表、BestBuyのCEO、Brian Dunn氏。また最後の締めは、Twitterで有名になった、俳優のAshton Kutcher氏。また、Razorfishの親会社のPublicisのCEO、Maurice Levy氏や、調査会社Forrester ResearchのCEO、George Colony氏など、大物スピーカーが続々登場しました。その中に混じって、MIT Media Labの若手研究者や、Hells Angelsへの潜入捜査の経験を基に、作家になったJay Dobyns氏など、ユニークなスピーカーもあり、非常に充実した内容でした。
RazorfishのようなデジタルマーケティングのAgencyが行う会議で、ここまでの内容だとは、正直驚きです。  

会場には、まだ発売前のMicrosoftのKINECTのデモが置かれていたり、JCPennyで使われている、大型液晶による、マルチタッチデバイス(日本流にいえば、インタラクティブなサイネージといえば良いでしょうか)などの展示コーナーもあり、四六時中人だかりができていました。  

今回のテーマは、"EVOLVE"。環境の変化に対して、進化しなくてはいけない、というメッセージのもとに、スピーカーの方々が、自社のチャレンジやフィロソフィーを披露しました。
多くのスピーカーが、Social Mediaの広がりの中で、それを前提とした、Transformationについて、言及していました。Best BuyのDunn CEOは、トップからのメッセージの内外への発信と、社員をEngageすること、モチベーションをあげてやることの重要性を繰り返し語っていましたし、ForresterのColony氏は、CEOが"Socialな人"でなくてはならない、と、これからの時代におけるCEOの条件の一つにあげていました。
また、テクノロジーの重要性も、多くのスピーカーが語っていました。
なかでも、ForresterのColony氏は、Cloudの時代から、次は"APP Internet" (インターネットとPCやスマートフォンなどのローカルデバイス上のアプリがつながる)の時代になり、もはやWebサイトの重要性は下がる、と、次の時代のテクノロジーのトレンドについて語りました。CMOやマーケティングの責任者を対象にした会議なので、テクノロジーにあまり明るくない人が多いということが前提なのかもしれませんが、CEOたちがその重要性を語るというところに、この会議の一つの狙いが見えてきます。  

Twitterで時代の寵児となった、Ashton Kutcher氏は、俳優業のかたわら、自らの制作プロダクションでソーシャルマーケティングの仕事も受注していて、マウンテン・デューなどのクライアントがあるのですが、彼がもう広告はやめよう、とソーシャルメディア上での広告否定論を語る一方で、広告業界の重鎮、Levy氏は、"Advertising is a service."と語り、もっと人に役に立つものに変わっていくべき、と業界の変化を促す発言をされていたのが、印象的でした。  

当社の戦略を考える上でも、非常に示唆に富む会議でしたし、幾つか東京でも展開できそうなアイディアも得ることができ、非常に有意義な会議でした。