インタビュースキル

Social Marketingの話が花盛りですが、その方法論に置いて、どの方も、必ずListeningの重要性を説かれます。
簡単にいえば、ブログやSNSなどで、自社や競合に関することがどう語られているか、しっかりチェックしましょう、ということなのですが、Social Marketingといっても(ちょっとまえは、Buzz Marketingとか、WOM Marketingなどともいわれてましたが)、もともと、コントロールできない「メディア」が舞台なので、掲示板やブログ、SNSなどがはやり始めたころは、それしかできなかったわけです。いろいろと手法が増えてきた昨今、改めて、Listeningの重要性が強調されるのは、ついついマーケターがListeningをおろそかにしがちなことの裏返しなのではないか、と感じます。新しい手法が増えるほど、そちらに気を取られて、事前のListeningが不十分なままでは、戦略も施策もぶれていってしまいます。

Listening能力といえば、普段仕事をしていて、私が非常に重視しているスキルとして、「インタビュースキル」があります。コンサルタントやリサーチャーといった人たちには、必須のスキルですが、アカウントマネージャーやWebのプロデューサー/ディレクター、さらには、メディアプランナーなどにとっても、大切なスキルだと思っています。

どんなプロジェクトでも、最初に、クライアント/依頼主の課題や要望を「聴く」ことからスタートするわけですが、その際、「オリエン資料がそろっていない」とか「RFPが不十分だ」だとか、紙の上に言語化された資料の問題点を指摘する話がよく聞かれます。広告やマーケティングの仕事に置いても、経営課題やIT関連の話が多く含まれるようになったために、プロジェクトを円滑に進めるためには、最初の資料が整っているに越したことは無いのですが、そこに足りないところがあるといって、嘆いていてもプロジェクトは進みません。
そうなると、そこを補っていく力が大切になるわけですが、ここで先方に、どうインタビューできるか、が肝になります。

インタビューの手法については、様々なところで語られているので、そちらを参考にしていただくとして、最近気になるのが、相手にFace to Faceで話をするのを敬遠する人がいることです。プロジェクトの初っ端で、資料がメールだけで送られてくるということはしばしばあります。こうした場合、大概、資料を読み込んだだけでは分からないことがたくさん出てきます。それに対して、メールで質問のやりとりをし始める、そんな人が増えている気がします。

ある種のリテラシーということで、メールでいただいたものには、メールで返した方がいい、と考える向きもあるようですが、資料が大量にあるような複雑なプロジェクトであればあるほど、メールでのやりとりでは、埒が明かないということになると思うのですが、そのことにピンとこない人もいるようです。
もちろん、Face to Faceとなると、アポイントも取らなくてはいけないですし、限られたプロジェクトの時間の中では、移動時間など無駄もでることはあります。ただ、複雑な話をメールでまとめて質問するというのも、それなりに時間を費やさなくてはいけないので、時間効率という観点から考えると、正しくないアプローチであることもしばしばです。

メールの方が記録が残るからいい、という意見もあります。しかしこれは、インタビューをしたのちに、議事録を共有するというやり方もあるので、一概にいいとも言えません。

Face to Faceの良さは、言語だけでは伝わらないニュアンスを感じ取ることができるからです。それと、その場でインタラクティブにやりとりができるわけで、書類に書かれていることの背景など、行間を「読む」のではなく、ストレートに訊くことができます。
物理的な制約でFace to Faceが難しければ、電話でインタビューするというのも手です。相手の顔色をうかがったりすることはできないので、得られる情報は多少減るかもしれませんが、逆に相手に見えないところで、手元に参考資料を置きながら話をすることもできますし、長所もあります。また、もし相手のITリテラシーが高ければ、Skypeで電話することで、会話とともに、他の資料を同時に共有することもできます。

 携帯でも、話をするよりメールという時代ですし、「メールネイティブ」で社会人になった人たちが増えてくる中、今一度、相手を目の前にして、インタビューすることの大切さを強調したい、と思いますし、それを踏まえて、メールやSkypeなどのツールを賢く使い分けるように、なってもらえると、いいと思います。