新型コロナウィルスの世界的流行とビジネスの変化

新型コロナウィルスの感染流行が広がり始めて、すでに2ヶ月余りが経ちますが、そのビジネスへの影響について様々なデータや調査が出てきましたので、それらを眺めつつ、この感染流行後へのビジネスの変化について、考えてみたいと思います。

人々の移動が制限される中で、必然的にリアルからデジタルへのシフトが進むわけですが、新型コロナウィルス感染が最初に広がった中国での消費行動の変化を見ると、それは顕著であったことをうかがい知ることができます。

感染拡大期にあった春節の時期で、カルフールが提供する野菜のデリバリーは、対前年600%、JD.comが提供するオンライングローサーは、対前年215%の成長でした。またモバイルインターネットの利用時間も1月初旬は1日6.1時間だったものが、春節後には、7.3時間と大きく伸びています。

また、リモートワークの広がりで、例えば、Microsoft Teamsは、中国国内での利用が、500%成長となっていたり、Alibabaの提供するDingTalkが1000万の企業組織や2万の学校のオンライン授業に使われるなど、働く環境や教育におけるクラウドツールが一気に広がりを見せています。

また医療の現場では、遠隔診療や薬の処方を支援するサービスが試行されたり、新型コロナウィルスに関するフリーのオンラインコンサルティングのサービスが立ち上がったりと、こちらも、一般の消費者に体験してもらう格好の機会とばかりに、様々なサービスが広がり始めています。

 

こうした環境下で、ecommerceが伸びる、というのは、誰しもが想像するところではありますが、状況はそれほど単純では無いようです。やはり、サプライチェーンや在庫の問題から、需要はあっても、供給ができないという課題に直面したり、あるいは、将来の収入への不安や株式市場の縮小による資産の目減り効果などから消費意欲が減退するといった懸念から、ecommerceに対しての成長期待は、必ずしもポジティブな意見ばかりではありません。

実際、米国の小売業に対する3月1週目の調査では、期待値は半々、といったところ。おそらく、米国での新型コロナウィルスの状況が悪化している現在では、さらに慎重な意見が増えているかもしれません。

(出典:Digital Commerce 360の調査

しかしながら、今回の新型コロナウィルスの影響で、消費者の在宅での消費体験が増加したことにより、eCommerceあるいはOmni Channelへのシフトが進むことは必然的かと思います。

 

 

それとともに、ブランド側の情報発信のあり方にも影響を与えそうです。先行き不透明な状況において、ソーシャルメディアで流通する情報に対する見方は厳しくなっており、オーセンティックな情報ソース(公的機関や医療機関など)に信頼を寄せる傾向にあります。


(出典:株式会社QLifeによる新型コロナウイルス感染症に関する緊急アンケート

 

実際に、Facebookなどの大手SNSプラットフォーマーは、現在のような時期だからこそ、信頼性の確保が重要という認識にあるものの、信頼性確保において、非常に厳しい状況にあるようです。Wiredの記事によれば、Fake News問題以降、コンテンツの信頼性チェックのための大規模な組織を作り、信頼性回復に努めてきたわけですが、今回の新型コロナウィルスで、在宅勤務体制へのシフトせざるを得ず、人的なチェック体制が十分確保できず、AIや機械学習への依存度が上がり、必要以上にコンテンツを削除したりと、混乱をきたしているようです。短期間に解決できる問題でもなく、人との繋がりを求めて、人々がSNSを利用する機会も増えている中、ジレンマに陥っている、という状況もあるようです。
(出典:Wired記事 Coronavirus Disrupts Social Media’s First Line of Defense)

 

こうした中で、SNSを通じて、家族・友人・同僚など、すでに信頼関係のあるつながりの重要性が増しているとも言えるでしょう。Edelmanの調査によれば、信用できる情報源としての評価は、政府やメディアの情報より、勤務先の方が高くなっています。これは、ブランドにとっても、顧客との信頼関係の重要性を示唆しているのではないでしょうか。
(出典:Edelman調査 EDELMAN TRUST BAROMETER SPECIAL REPORT ON COVID-19 DEMONSTRATES ESSENTIAL ROLE OF THE PRIVATE SECTOR

eCommerce, Omni Channelへのシフトにおいても、顧客との信頼関係を同時に築いていく、Direct-to-consumerの考え方が、重要になってくるだろうと推察します。

Direct-to-consumerのスタートアップ企業の中には、新型コロナウィルスの広がりとともに、リアル店舗を一時閉店することになり、それに対して、SNSを通じてファンとのダイレクトなコミュニケーションをとっている企業もあります。リアル店舗からオンラインへのスムーズなシフトを図るべく、企業の方針やオンラインでのサポート状況を丁寧に説明し、さらには、企業理念に触れつつ、理解を求めています。人々が信頼できる繋がりを求めている時だからこそ、ブランドとの絆をより確かなものにしよう、そうした企業の姿勢が伺えます。ダイレクトな顧客との繋がりをあまり持たない企業にとっては、一朝一夕に真似のできることではありませんが、こうした企業の非常時のアクションを研究することは、Direct-to-consumerのビジネスを考える上で、参考になる部分が少なくないと思います。

こうした非常時での企業のアクションは、その成果を踏まえ、普段の企業活動にも反映されることになるでしょう。消費行動の変化とともに、こうした非常時において、顧客や一般の消費者に対して、何ができるのか、各ブランド企業の姿勢が問われている時でもあるかと思います。短期的な視点ではなく、中長期的な顧客との関係づくりに優先順位をおき、コミュニケーションを考えるべきかと思います。

 

Direct-to-consumerの代表格、Allbirdsのソーシャル上でのコミュニケーション

1. リアル店舗の閉店時のメッセージ (出典:Allbirdsのソーシャル上でのコミュニケーション)

 

2. ヘルスケアに携わる人々への靴の寄贈を伝えたメッセージ (出典:Allbirdsのソーシャル上でのコミュニケーション)

 

3. 多数寄せられた上記メッセージへ問い合わせの遅れをお詫びする、メッセージ (出典:Allbirdsのソーシャル上でのコミュニケーション)

 

 

 

マレーシア初のユニコーンとウワサの「Grab(グラブ)」


先日、マレーシアやベトナム方面に出張する機会がありました。
そこで今回は、出張時に得た気付きとマレーシアで話題のプラットフォーム「Grab(グラブ)」について取り上げたいと思います。

マレーシア市場はちょっと難しい

じつは、マレーシアへの出張は初めてだったこともあり、事前に少しリサーチをしてみました。せっかくなので少しご紹介しましょう。
マレーシアの人口は約3,200万人(2017年マレーシア統計局)。
国民一人当たりのGDPは、シンガポール、ブルネイに次ぐ高さを誇っています。主に、原油・石油製品、パ-ム油やLNGといった資源の輸出で潤っているとともに、
欧米や日本の製造業が多く進出しています。サービス業では、観光産業が多いほか、医療や教育といった分野も成長産業になっています。

マレー系(約69%)、中国系(約23%)、インド系(約7%)という多民族国家としても知られており、イスラム教が61%と大多数を占めます。
が、仏教、儒教・道教、ヒンドゥー教(6.0%)、キリスト教(9.0%)ほか、地域に根ざした宗教もあるようです。
参考;外務省「マレーシア基礎データ

このように宗教や文化的背景が異なるひとが多いため、広告プロモーションの立場からすると、各属性に合わせた展開が必要になり、予算が分散しやすいマーケットと認識されています。
ひと言でいうと「統一した施策が打ちづらく、マスマーケティングがちょっと難しい」といったところです。

マレーシアのメディア事情

メディア事情も特徴的です。モバイル(スマートフォンやタブレットなど)の普及台数は4,000万台と言われ、国民ひとりあたり1.25台くらい所有しているという計算になります。
web利用や通話、動画視聴といった利用スタイルが浸透しているとの調査結果も出ていることから、典型的なモバイルファーストの国です。

そうした背景もあり、広告出稿もいわゆるマス媒体よりモバイルへの伸びが高くなっています。日本のようなTVやラジオ、新聞を中心にしたメディアの発展と普及が起こる前にモバイルベースのデジタルサービスが主流になった、ということなのでしょう。

特に人気のサービスは、Youtubeをトップに、WhatsAppやFacebook、InstagramやMessenger といった順だとか。Googleは頑張っているものの、Facebook関連サービスがマスメディアのようになっている、という様相です。月間のActive User数で見れば、人口3200万人に対して、Facebookで2,400万人にリーチできます。

Grab(グラブ)の発展から考えられる施策

こうしたモバイル・ファーストな国では、新たなプラットフォームも盛んに生まれてきます。そのなかでも注目株なのが「Grab(グラブ)」というアプリです。東南アジア版Uberみたいなもので、マレーシア初のユニコーンとの呼び声も高く、ソフトバンクほか、トヨタやホンダも出資企業に名を連ねています。

昨年、Uberの東南アジアのビジネスを買い取って、一気に配車アプリとしてトップの地位を確立した「Grab」。マレーシア国内で見れば、利用コストは安く、日本のタクシーの1/5〜1/6くらいに設定されています。そうした利用しやすさのほか、モータリゼーションが進んだ国ということもあって、現地の足としても親しまれているというわけです。

ちなみに、マレーシアでは自動車の配車アプリとして利用されていますが、ベトナムではお国柄か、バイクの配車アプリとしても利用されています。

さて、東南アジアの期待の星である「Grab」ですが、配車アプリとしてだけではなく、フードデリバリーや決済サービスも提供し始めています。マレーシアでもキャッシュレスはまだまだ普及途上なところがあるようですが、「これをカバーするのはGrabだろう」と目されています。実際に、決済をするとクーポンが付与されたり、ポイントが貯まったり、といった仕掛けもあるようです。今後のサービス拡充がますます期待されるところです。

こうした一つのドミナントなプラットフォームからマルチ展開するスーパーアプリは、中国はWeChat、タイでは日本同様LINE、というように国によって異なりますが、我々のクライアントであるブランドにとっては、カスタマーエクスペリエンスにおける重要な接点になり得ます。モバイルファーストであるほど、こうした接点の充実ぶりが加速していますので、こうした勢いがあるプラットフォームとは、ぜひ何か一緒におもしろいことをしたいものです。日本からアイディアを持ち込んで、現地のオフィスと組んで実現したいものです。そのことが、逆に日本での新しいサービス開発のヒントにつながるのではないかと思います。

そんなことを考えていたら、なんとGrabがJapan Taxiと組んで日本に進出するというニュースが飛び込んできました。アジアのユニコーンの動きも海外展開のスピードを増してきています。

「Grab」に限らず、海外にはこういったチャンスがまだまだ眠っていることでしょう。これからも、新しく誕生したサービスに注目し、ビジネスチャンスを探っていきたいと考えます。

組織改編

ここ数ヶ月、忙しさにかまけて、ブログの更新をサボっておりましたが、最近話題のHubSpotのサービス、Marketing Graderで当社のサイトを診断して、大いに反省してしまいました。インバウンドマーケティングの観点からサイトを診断してくれるのですが、当社サイトは全体では69点ではあるものの、ブログ関連での評価でNG! 平均12日に1回という更新で、駄目出しされてしまいました。

改善アドバイスをくれるのですが、その中で、「月20回更新している企業は、月2、3回更新している企業の5倍もトラフィックを稼いでいる」というコメントには、参りました。もっと筆まめでないといけませんね。

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日本初! FacebookのPreferred Marketing Developerに認定

4月18日にFacebookが、Preferred Marketing Developer program(認定マーケティングデベロッパープログラム)という、デベロッパー向けの認定プログラムを発表しました。日本からは、当社も含め、今回4社が認定されました。

プレスリリースにもあるように、「Facebook上でのアプリ開発や、マーケティングのニーズがある企業と、開発パートナーとをつなげる」ことを目的としたプログラムですので、これをきっかけに、新たなお客様との仕事が広がってくれることを期待しています。 このプログラムでは、”PAGES”, “ADS”, “APPS”, “INSIGHTS” の4つのカテゴリーで認定バッヂが提供されていますが、今回認定を受けた4社の中で、唯一、”PAGES”と”APPS”の2つのバッヂを頂きました。Facebookページ管理ツールのSociobridgeを提供し、また多くのクライアントに対して、アプリ開発を行っている実績を評価いただけたようです。

ほかにどんな会社が認定されているかは、以下のリストをご覧ください。当社の提携先であるRazorfishや、Digitasなど世界各国から231社が選ばれています。アジアでは、中国、ベトナム、シンガポールの会社も入っています。

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日本マイクロソフトとの業務提携&Facebookページ運用管理ツール、はじめました

今朝の日経に記事が出ておりますが、電通とともに、日本マイクロソフトと、ソーシャルメディアマーケティングの領域で業務提携をすることに基本合意しました。
あわせて、Facebookページの運用統合管理ツール、「sociobridge(ソシオブリッジ)」の販売をはじめます。

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情報サービスによるブランディング

ここ数年、広告会社あるいはエージェンシー(代理店)がやらなくてはいけない仕事として、クライアントの「サービス」開発支援、ということを考えています。
広告会社というのは、優れたプロダクツを持っているけれど、消費者あるいは顧客とのコミュニケーションがうまくいかないために、ビジネス上の成功をおさめられない場合に、最も力を発揮するものだと思っていますが、メディア環境の変化や消費者の情報接触に関する行動が変化する中、メディアを通じてメッセージを届けるといった単純な図式では、効果を失いつつあります。

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Razorfishのクライアントサミット

昨日・今日と、Bostonで開かれている、Razorfishのクライアントサミットに参加してきました。
これは、年に1回、クライアントを招いて、事例やソリューションの共有をはかる会議ですが、大変に盛況でした。
私は今回が初めての参加ですが、参加しているクライアントも100社を超え、一昨年からの不況を脱したかのように、参加者が多かったそうです。  

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