CES / NRF 2020

 

毎年1月は、米国でCESとNRFという2大イベントが開催され、これらのイベントでの、新しい企業の発表が、この1年の業界のトレンドを占うものとして、世界中の注目を集めています。
特にデジタルがどちらのイベントにおいても中心的なテーマになって以降、注目度は高まるばかりで、企業側も自身の業界イベントよりもこれらのイベントにおいて、新しい取り組みやイノベーションを紹介するのが一つの流れになってきたように思います。

IsobarもUSオフィスからCESのレポートが出されていますが、そこから今年のトピックスをご紹介しましょう。

デジタルアシスタンスの進化
Siri, Alexa, Googleにリードされる音声アシスタンスが、プライバシー問題を回避しながら、さらにパーソナライズされた顧客体験の提供に向けて進化。Samsungは、”Artificial Human(人工人間とでも訳しましょうか?)“というコンセプトでNEONというアバター型のデジタルアシスタンスを紹介、BallieというStarWarsのBB-8のようなアシスタンスロボットとともに、これからのアシスタンスのあり方を提示しました。

ヘルステックの新たな領域
バイオメトリックス(生体認証)が、ウェアラブルの世界だけではなく、バスルームのマットやアダルトグッズなどにも活用され、新たな広がりを見せている(アダルトグッズ業界は、今年初めてCESでの出展を認められ、イノベーションアワードを受賞した企業も現れました)。またデータ収集と分析の進化により、より深い体のコンディションを理解するサービスが登場している。寿命を示唆することはできないが、健康年齢に関する情報を提供するサービスや、パーキンソン病など脳に関連する疾患の患者に向けたアシスタンスサービスが登場している。

拡張するVR/AR
Hapt VR Glovesは、VRに映像とサウンドだけではなく、触覚もバーチャルに体験できる機能を付加。製造業でのトレーニングや製品テスト、医療教育など業務プロセス内での利用がまず検討されています。Panasonicは、VR製品自体のデザインの刷新を試み、ヘッドマウントディスプレイをより使いやすく、見た目にも「異様さ」がない、軽量な製品を発表しました。こうした取り組みから、5Gという追い風を受けつつ、VR/ARが、いよいよ広がりを見せていくものと思われます。

これ以外にも、折り畳み可能なディスプレイがモバイルデバイスだけでなく、ラップトップにも広がるとか、Uberとヒュンダイによる「空飛ぶタクシー」の紹介や、トヨタやソニーによる新たな自動車産業の取り組みなど、色々と報道されているように、今年も様々な企業から将来に向けたビジョンが発表されました。

英語版レポート
Isobar CES 2020 Recap Report

日本語版レポート
Isobar CES 2020 Recap Report

Samsung at CES

 

流通業界の世界最大のイベントで、今年も4万人が集まったNRF
一方、NRFですが、CESほど日本での知名度はありませんが、流通業界の世界最大のイベントで、今年も4万人が集まったそうです。デジタルシフトは、この業界でも必然の流れで、今年のキーノートスピーチのトップバッターは、MicrosoftのSatya Nadellaでした。彼のスピーチによれば、米国のGDPの31%は、リテールに関わるものであり、巨大なデータポイントです。

NRFにおいても、マーケティング業界同様、Experienceに大きく注目が集まっています。Customer Experienceの向上のために、CDP(Customer Data Platform)の活用と、Headless Commerceアプローチによる、チャネル構築がトレンドになりつつあります。そしてまた、データとAI活用も大きなテーマです。

StarbucksのKevin Johnson CEOは、Keynoteの中で、Deep Brewという自社のAIプロジェクトを紹介しましたが、”Third Place”を標榜するStarbucksにとっては、デジタルとブリック&モルタル(リアルの店舗)の共存が長期的な戦略であり、例えば、バリスタが接客に集中できるように、AI活用によりスタッフのワークシフトの最適化や、自然言語解析により、POSレジでの入力業務を削減したりすることで、人的オペレーションによる顧客エンゲージメントを高めることを目的にデジタルを活用しています。そして、社内の意識改革を進め、新たなデジタル施策の導入サイクルを早め、idea-to-action in 100 daysを目指しています。実店舗を持つ、日本のリテール業界においても、こうしたStarbucksの考え方は、大いに参考になるかと思います。

優れたCustomer Experienceを実装するためには、データの活用が不可欠ですが、大手流通企業では、データサイエンティストの採用に積極的で、Targetでは、1年間に千人を超えるデータサイエンティストが採用し、今後も同規模の採用を続けるとのこと。日本では考えにくいスケールの話ですが、デジタルと実店舗のあらゆる領域でデータ活用が必要となる現在、他社に先手を打ち、社内カルチャーを変えていくために、社内体制の強化が不可欠になっています。

顧客体験のペインポイントの解消という観点から、米国では、返品体験の改善と、BOPIS(Buy Online Pickup in Store)のようなデジタルと実店舗の融合したサービスにフォーカスが当たっています。前者は、日本においてはそれほど課題になっていませんが、後者については、日本においても新たな顧客サービスの提案として今後広がっていくものと思います。米国では、75%のショッピング体験が、何らかの形でデジタルから始まると言われており、そこから実店舗への体験をシームレスにつなげていくことが、顧客満足度を高めることになります。Walmartでは、デジタルチャネルとIoT, ジオフェンシングなどの技術要素を組み合わせ、この実現に務め、大きな成功を収めていることが、よく知られています。顧客の日常の購買体験をシームレスに、フリクションレスに仕立てていくことに、様々なテクノロジーが導入され始めている、米国企業の先端ケースが数多く紹介されたNRFですが、CESだけでなく、来年以降も注目をしていきたいイベントです。

英語版レポート
Isobar NRF 2020 Recap Report

日本語版レポート
Isobar CES 2020 Recap Report

NRF  Satya NadellaのKeynote Speech

「VIVA TECHNOLOGY」レポート 〜主要テーマは、グローバル企業とスタートアップの協働と大手プラットフォーマーへのアンチテーゼ〜

5月16日から5月18日の3日間、ヨーロッパ最大級のTech系イベント「VIVA TECHNOLOGY」が今年もフランス・パリで開催されました。世界各国から12万人以上を動員した本イベントに私も足を運んでみましたので、現地の様子をレポートします。

VIVA TECHNOLOGYについて

「VIVA TECHNOLOGY」は、日本ではそれほど知名度が高いイベントではないかもしれませんが、たとえばマクロン大統領が通商大臣だったころから今もなお深くコミットするなど、フランスでは国の威信をかけた取り組みと位置付けられ、今年は12万人超の来場者を集める欧州最大のTechイベントです。

Tech領域のトレンドや新技術、企業の活用例が披露される 欧州最大級のTechイベント「VIVA TECHNOLOGY」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Tech領域のトレンドや新技術、企業の活用例が披露されるだけでなく、中心テーマのひとつであるスタートアップ支援の名の下、「NEXT EUROPEAN UNICORN AWARDS」と題した大型スタートアップの表彰が行なわれたり、ハッカソンでイノベーティブな発想を発掘する機会があったりもします。

訪れてみれば、業界関係者ならずとも大変刺激的な経験ができるでしょう。

https://vivatechnology.com/

 

国内外の政治家、業界を超えた名だたる企業、新進気鋭のスタートアップが一緒になって議論する場

本イベントは、最近の大型Techイベント同様、展示会とカンファレンスから構成されており、カンファレンス会場では、今年もたくさんのセッションが行なわれました。

ここでまず注目したいのは、登壇者のバリエーションの豊かさです。

たとえば、マクロン仏大統領がスタートアップの経営者たちと対談したセッションもあれば、カナダのトルドー首相が、SNSを介したフェイクニュースの拡散やテロを煽動するようなコンテンツで損なわれたネットの信頼回復に向けて、新たにDigital Charter(デジタル憲章)を制定したと発表するセッションも。また、フランスというお国柄か、セネガルとルワンダというアフリカの大統領が登壇し、eGovernmentについて語るといった光景も、フランスの過去の歴史と次のビジネスを見据えたプログラムとして、興味深いものでした。

Tech系企業の主要メンバーやスタートアップだけでなく、国内外の政治家もセッションに登壇してお互いに意見を交わす様子は日本ではなかなかお目にかかれない光景でしょう。

 

デジタルテクノロジーはいかに社会に貢献できるか?

Tech系のイベントではありますが、多くの政治家が登壇することにも表れているように、ビジネスの話題以上に、プライバシーや環境問題など社会課題が語れれることが多い印象を受けました。企業からのプレゼンテーションも、そうした文脈が強く感じられました。

今回のイベント全体を通じて、GoogleFacebookといった大手プラットフォーマーへの批判の声が非常大きかったことは、強く印象に残りました。

特に、彼らのビジネスモデルについて「個人情報を得てそれを活用し、富を集めている」という指摘が声高になされ、そのアンチテーゼとして「社会に対してどのようにテクノロジーが貢献するか? そのリスクからいかに市民を守るか?」といったテーマが盛んに議論されていました。GDPRを大きなきっかけとして、各国で大手プラットフォーマーへの風当たりが強くなってきた現在、その議論をリードしたEUが自信を取り戻している、そんな風にも感じられました。

他方、ヘルスケアや環境へのインパクト、フードセキュリティや犯罪防止といった社会問題に対するテクノロジーの活用については踏み込んだアイデアが挙げられ、AIやマシンラーニング、データ活用が社会問題解決に貢献できるのではないか? とか、今後5年程度でどのような社会的インパクトを与えられるのか? といったことが今日の主要テーマとされていました。

この文脈で、フランスの製薬メーカーであるサノフィが意欲的な発表をしていたのでご紹介しましょう。ご存知の通り、サノフィのような製薬メーカーは、新薬を世に出すまでに、研究開発から膨大な数のテスト等を行なうわけで、当然そこには多くの時間と莫大なコストが費やされてきました。

しかし、「今後はAIのデータ解析によって開発効率を上げていけるはずだ」とサノフィは言います。そうなれば、より早く新薬を発表することができ、世界の疾病対策や人々の健康に貢献できるだろう、というわけです。最後に同社は、「それを実現させるためにも、データドリブンカンパニーになる!」と宣言していました。これは製薬会社の新たな有り様を想起させる発表だと言えるでしょう。

 

幅広い業界業種がブースを展開した展示会ゾーン

EU圏内やアフリカ圏だけでなく、中国や韓国、中南米からも本イベントに参加する企業や著名人が多く見られました。いくつかご紹介しましょう。

 

たとえば、いまEスクーターの販売を手がけている”世界最速の男”ウサイン・ボルト氏は、自社の製品を持ち込んでフランス国内でのPRを始めていました。また、中国のTech企業であるアリババのジャック・マー氏もセッションに登壇していましたし、報道を賑わせている”渦中の企業”ファーウェイもセッションで存在感を放っていました。

 

展示会には世界中のほとんどのクラウド&IT企業が出展していると言っても過言ではないほど様々な企業が並んでいましたし、こうしたイベントでは、これまであまり見られなかったコンサル会社もブースを出して講演会を行なっていました。

日本関連ではソフトバンク・ロボティクスが出展しており、ペッパーくんと記念撮影する来場者も多く見られました。

 

お膝元のフランス企業については、自動車産業からルノー、シトロエンが。観光業からはアコーホテルズ、放送業界からはTF1グループ、フランス郵政公社のラ・ポストやフランス国鉄(SNCF)といった国家の基幹産業が軒並み大きなブースを構えていました。

 

ブランド企業とスタートアップの共同開発技術が実務レベルに

各ブースでは、ブランド企業とスタートアップがコラボレーションして新たな開発した事例がいくつも紹介されており、実際にそのテクノロジーに触れる機会もありました。

たとえば、LVMHのブースでは、液晶パネルを組み込んだLouis Vittonのバッグの展示や、顧客に最適な香水をレコメンドするVoice Chatによるインタラクティブな仕組みや、ミラーに仕組まれた画像解析によって、コスメティクスを推奨するといった、体験ブースに多くの人だかりができていました。

多くの来場者で溢れるLVMHブース

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また、ロレアルのブースでは、画面に顔を映しリップの色を重ねてシミュレーションし、気に入ったものを購入できるコスメの自動販売機を紹介されていましたし、デバイスで肌の色などをチェックしてそのひとにぴったりなファンデーションをオススメしてくれるような機能も紹介されていました。

こうしたラグジュアリーブランドやコスメティクスブランドによる、店頭での体験価値の向上に向けた取り組みの紹介は、非常に完成度の高いもので、早くからStartupを巻き込んでの研究開発に意欲的に取り組んでいることが伺えます。フランスの基幹産業の面目躍如といったところでしょうか。

ロレアルブースでは、マーケティングや製品開発に活用するツールとして、インスタグラムなどに投稿されている膨大な数の画像を鳥瞰的に把握・分類・解析してトレンドをダイナミックに把握するツールを紹介していました。AIによる画像解析を活用したこのツールは、すでに実装され、全社員がアクセス可能だという点は、驚きです。

AIによる画像解析を活用したツールの紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ARの利活用の例としては、マジックリープが開発したという遠隔会議システムを欧州メガバンクのひとつBNPバリパが活用している、という事例が興味深いものでした。遠隔地同士の会議でも、ARを活用すればその場で対面しているような感覚で議論できる、というものです。

これを応用して、BNPバリパは、地図上の不動産物件の詳細をよりリアルな3D表現で確認できるシステムを活用しているとのこと。金融機関のような伝統的な業種はテクノロジーの活用が遅れている、としばしば指摘されることもありましたが、少なくともフランスではスタートアップと連携して生み出したテクノロジーを実務レベルで活用するまでに至っている、と言えそうです。

 

一部では「米国や中国の後塵を拝している」と指摘されていたEUが、行政トップの強いリーダーシップに後押しされてデジタルテクノロジー領域で復権をはかろうとしている様子がひしひしと伝わってきた本イベント。EUとして、AI領域に非常に注力していることや、スタートアップを育成しグローバル企業とのコラボレーションを強く推進していることがよく分かりました。果たして、このEUの取り組みが、いかなる成果をあげるか、同様に米中に遅れを取っている日本も注視していく必要があります。行政の産業育成への関与の仕方という点では、参考になる面があるのではないか、そんな気がします。

 

他方、デジタルテクノロジー領域のビジネスはルールなき開拓時代を終え、一定の規制の必要性が論じられ始めたことは注視すべきポイントです。

GDPR以降、EUは「この議論をリードしていく」という強い姿勢を示していますし、実際に世界各国に対して影響を強めているのは周知の通りであり、日本も当然その例外ではないでしょう。個人データ利用のルール改定や、大手テックプラットフォーマーへの課税問題など、デジタルマーケティングに影響を与えるうる政治的テーマに日本も深く関わりつつあります。

私たちも、こうした環境の変化を注視していく必要がありそうです。

 

 

Microsoft AzureにAIをのせたチャットボットサービスで顧客満足度を上げる

先日、アドビ システムズ様、日本マイクロソフト様と共催セミナー「カスタマーエクスペリエンスデーin 大阪」を開催いたしました。

その中で、日本マイクロソフト様が紹介されていたMicrosoft Azure*を基盤にAIサービスを乗せて展開したチャットボットサービスの事例が非常に興味深かったので、ここでもご紹介したいと思います。

 

日本マイクロソフト様

本ブログで紹介することをご快諾くださり誠にありがとうございます。またぜひご一緒できれば幸いです。

さて、以下は私が特に注目したトピックです。

 

顧客接点でのAI活用事例:進化するチャットボット

AI活用の中でも、コールセンターの業務をチャットボットに置き換えていく、というのは王道のやり方だと言えるでしょう。

セミナーでは、「コールセンタースタッフでは8時間くらいまでが対応上限であるところを、チャットボットを使って24時間対応できるようにしている」とのSBI リクイディティマーケット様の事例が紹介されていました。

同社だけでなく、こうした取り組みは着実に増えていると聞きます。

コールセンターに寄せられる質問内容は、「パスワードを忘れた」や「うまくアクセスできない」といった、サービスに関連する内容が多いと言われています。そうしたことにリアルタイムで対応できるようになれば、顧客満足度向上にもつながるでしょう。

他方、コールセンターには、さまざまな情報が集まるものです。データが無ければAIに学習させることもできません。それらのデータを常に蓄積させ、これをAIに学習させられる環境を構築していれば、チャットボットはどんどん賢くなっていけるはずなので、今後も早い進化が期待される分野だと思います。

 

SBI リクイディティマーケット様

人工知能 (AI) を活用した FX取引サービスの実現に向け、SBIリクイディティ・マーケット、SBI FXトレードと日本マイクロソフトが連携

https://news.microsoft.com/ja-jp/2017/02/15/170215-ai-sbi-microsoft/

事例ビデオ:

https://www.youtube.com/watch?time_continue=4&v=SxLp7bRD8FQ

 

前述のようなコールセンターだけでなく、まだ実証実験の段階も含め、最近は病院やホテル、大規模商業施設などのホスピタリティ系のサービスを提供する場面でもAIの活用が進んでいるようです。

近い将来、「ショッピングモール等の広大な敷地を有する場所で迷い、スタッフが見つからず途方に暮れる」といった心配がなくなるとしたら、顧客にとっての利便性がいま以上に高まることでしょう。

 

顧客接点でのAI活用事例:顧客に寄り添うチャットボット

大手コンビニチェーンを展開するローソン様の未来型コンビニに関する事例も紹介されていました。同社の取り組みは各種メディアでもよく取り上げられていますが、中でもLINE のチャットボット「ローソンクルーあきこちゃん」は特に有名ですね。

このあきこちゃん、ベースになっているのは高校生AIとして話題になった「りんなちゃん」なのだそうです。

りんなちゃんは、ご存知の通りMicrosoft社が高校生アカウントとして運用し、機械学習させていたAIです。ここで培った技術がクライアントに有効活用されている、というのは興味深いことですね。

ローソンの取り組みについては、MicrosoftAzureのサイトで詳しく紹介されているので、ぜひご一読ください。

 

ローソン様

▶もっと「人に近い」コンビニへ。ローソンの挑戦。その独自戦略とは?

https://www.microsoft.com/ja-jp/biz/nowon-azure/lawson.aspx

 

顧客接点でのAI活用事例:多言語対応のチャットボット

MicrosoftAzureの場合、日本語よりも外国語の方が実績は多いということで、旅行会社がAIを活用している事例も紹介されていました。なかには、日・英・中の3ヶ国語に対応するというケースもあるようです。

この事例は、海外のクライアントだけでなく、インバウンド需要に対応している企業にとっても一見の価値があるものだと思います。

MicrosoftAzureのサイトでは、JTB様の事例が取り上げられています。

2020年に向けて訪日外国人旅行客への対応を求める声はさらに高まることでしょう。そうした業界に携わる方にはとても参考になるのではないかと思います。

 

JTB

▶すべての訪日外国人の旅行客に満足を――AI や API エコノミーの仕組みを実装した観光支援アプリの提供で “インバウンド エコシステム” の実現を目指す、JTB

https://customers.microsoft.com/ja-jp/story/jtb-travel-azure-cognitive-bot-jp-japan

 

人材不足に対応するためのチャットボット活用

近年、主な働き手となる年齢層、いわゆる労働生産人口が減少していることが問題視されています。また、製造業を中心に、熟練者の技術を次世代の担い手に引き継ぎ切れないことが課題になっているとも聞かれます。

そうした問題に端を発する人材不足に加え、季節によって仕事のボリュームが大きく変動し、ある季節は仕事が過密状態になり働き手のワーク・ライフ・バランスが崩れたり、顧客へのサービスレベルが一定に保てなかったり、といった課題を抱える企業もあるようです。

セミナーでは、そんな課題を解決しようと取り組む企業として、空調機器の世界的メーカーであるダイキン様の事例が紹介されていました。

エアコンが故障し、修理の依頼が集中する時期と言えばやはり夏前から夏場だそうですが、これまではその依頼に対応し切れないケースもあったようです。

これを、チャットボットで「どこに問題がありますか?」というふうに確認をしていくことで素早く一次対応し、顧客の不安をなるべく早く解消できるよう取り組みを始めた、とのことです。

 

ダイキン様

▶エアコンの故障診断に Azure AI を活用したチャットボットを導入、自動応答で素早く対応することで顧客満足のさらなる向上へ

https://customers.microsoft.com/ja-jp/story/daikin-bot-framework-azure-luis-app-sql-database-jp-japan

故障診断にチャットボットを導入し自動応答で応対すること自体は技術的には難しくないことだと思います。

しかし、近年のエアコンなどの機器はIoT化しているので、たとえばエアコン側から故障や不具合のデータがセンターに送られ、その情報を元により高度なサービスを顧客に提供していくことも可能になっていくのだろうと考えられます。IoTとチャットボットとの連携は、今後大きく広がっていくと予想されます。

 

言語周りの処理能力が飛躍的に向上したことで活用の幅がさらに広がる

最近は、音声を認識して自動的にオーダーリストを作る、というAI活用の事例も出てきています。これは飲食業や小売業から製造業まで、幅広い業界にニーズがありそうです。

ただ、たとえば飲食店でオーダーをする際、「AセットとBセット」と言いながら、途中でオーダーや数量を変更する、といったことは多々あるもの。そのため、音声データをそのまま文字起こししたままの状態をオーダーリストとして送ってしまうと、結局のところどれが最終的なオーダーか分からず、現場を混乱させてしまうことにもなりかねません。

しかし、MicrosoftAzureを活用した事例では、「最終的にはこういうオーダーですよね」という“まとめの生成”まで対応できるようになっています。これなら、精度が上がることで、ひとのスタッフが対応するよりもオーダーミスを防ぐことにすらつながるかもしれません。

AI活用の方法については、しばらくの間「どう活用したらいいのか分からない」「本当に使えるのか?」など、その可能性がイマイチ掴みづらいと言われる時期がありました。しかし、近頃は確実に実践的に活用がなされるようになり、実績も増えてきたように感じます。

今回紹介したような新しい取り組みを知ると、より多様なアイデアが湧いてくるでしょうし、新しいチャレンジを提案する機会も増えていくのではないかと思います。

 

その他、注目したいMicrosoftAzureの事例

チャット以外にも、データ分析に活用されているのも、見逃せません。

 

エイベックス様

▶より満足度の高いライヴ イベントの実現に向け、AI を活用した来場者分析システムを開発

https://news.microsoft.com/ja-jp/2017/09/01/170901-avex-microsoft-faceapi/

事例ビデオ:

https://www.youtube.com/watch?v=j89-o9EqhmY

 

電通

▶電通がスタートした日本初の「人工知能型 OOH 広告」

https://customers.microsoft.com/en-us/story/dentsu-media-azure-jp-japan

事例ビデオ:

https://www.youtube.com/watch?v=gSdoMXitIvw

 

*MicrosoftAzure

ビジネス上の課題への対応を支援するために絶えず拡大を続けるクラウド サービスの集合体です。世界規模の巨大なネットワークに対し、お気に入りのツールやフレームワークを使ってアプリケーションを自在に構築、管理、デプロイすることができます。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/overview/what-is-azure/ より)

 

Adobe Summit 2019 ビジネス変革へ 改めて考えるCXM: Customer Experience Management

毎年開催されているAdobe Summitですが、今年はサブタイトル「The Digital Experience Conference」が掲げられ、デジタルエクスペリエンスは次のステージに入っていることを非常に強く感じました。

「ダイアモンドスポンサーとして、電通イージスネットワークもブース出展」

Adobeは2018年にMA(マーケティングオートメーション)ツールMarketo(マルケト)、そしてコマースプラットフォームのMagento(マジェント)を買収しました。今後はBtoBからBtoCの領域、コマースをよりカバーできることにより、ユーザー認知のところからトランザクションまで、一気通貫してカバーできるようになったのが大きな変化です。

そのような大きな変化に伴い、CXMの再定義、またどのようにコミットしていくのか見直されています。

新しいデータをマネージメントするためのエクスペリエンスプラットフォームを再構築する動きは、海外からすでに始まっています。電通アイソバーとしてはグローバルなクライアントも多い中、今後より一層、意識を向けていくべきところだと感じています。

また2018年後半には、Adobe、Microsoft、SAPの3社がパートナーシップを提携することを発表されていますが、企業の持っている基幹データ、CRMデータとデジタルマーケティングで得られるデータを統合し、データモデルを作りクラウド上で使えるようにするプロジェクトOpen Data Initiativeを進めています。こうした事から、Adobeはグローバルなマーケティングプラットフォームとして、企業のデジタルトランスフォーメーションの非常に重要な役割を担っていくことになると思いますが、そのAdobeのMagento(マジェント)買収は、企業のコマースプラットフォームへの注目度を高めることになると想定しています。電通アイソバーとしては「CXデザインファーム」としてお客様と共にビジネスを更に広げていければと思っています。

 

ad:tech 2011をふりかえって

今年のad:tech2011は、皆さん、いかがだったでしょうか?

当社にとっては新サービスsociobridgeの発表や、Razorfish会長のクラーク・コキッチのキーノートなど、例年になく、深いかかわり方をしていましたので、大勢のマーケティング関係者の方々が来場されたことは、非常にうれしく思っています。

(さらに…)

ad:tech tokyo 2010を終えて その2

「次世代広告代理店のストラテジー」のセッションで消化不良に感じていたところを、こういう話をしたら良かったかな、という感じた点を、以下、挙げてみたいと思います。

Twitterで語られていたことや、記事を見る中で、こちらの頭の中もいろいろ整理されてきたました。もう少し、業界全体をもりあげる方向で語れれば良かったなぁというのが、率直な感想なので、ストラテジーというよりも、これから広告代理店がやらなくてはいけないことについて、4点ほど挙げたいと思います。
こういうことをやっていかないと、モデレーターの三井住友銀行の増子さんが提示された課題には応えていけない、と思うことでもあります。

(さらに…)