Microsoft AzureにAIをのせたチャットボットサービスで顧客満足度を上げる

先日、アドビ システムズ様、日本マイクロソフト様と共催セミナー「カスタマーエクスペリエンスデーin 大阪」を開催いたしました。

その中で、日本マイクロソフト様が紹介されていたMicrosoft Azure*を基盤にAIサービスを乗せて展開したチャットボットサービスの事例が非常に興味深かったので、ここでもご紹介したいと思います。

 

日本マイクロソフト様

本ブログで紹介することをご快諾くださり誠にありがとうございます。またぜひご一緒できれば幸いです。

さて、以下は私が特に注目したトピックです。

 

顧客接点でのAI活用事例:進化するチャットボット

AI活用の中でも、コールセンターの業務をチャットボットに置き換えていく、というのは王道のやり方だと言えるでしょう。

セミナーでは、「コールセンタースタッフでは8時間くらいまでが対応上限であるところを、チャットボットを使って24時間対応できるようにしている」とのSBI リクイディティマーケット様の事例が紹介されていました。

同社だけでなく、こうした取り組みは着実に増えていると聞きます。

コールセンターに寄せられる質問内容は、「パスワードを忘れた」や「うまくアクセスできない」といった、サービスに関連する内容が多いと言われています。そうしたことにリアルタイムで対応できるようになれば、顧客満足度向上にもつながるでしょう。

他方、コールセンターには、さまざまな情報が集まるものです。データが無ければAIに学習させることもできません。それらのデータを常に蓄積させ、これをAIに学習させられる環境を構築していれば、チャットボットはどんどん賢くなっていけるはずなので、今後も早い進化が期待される分野だと思います。

 

SBI リクイディティマーケット様

人工知能 (AI) を活用した FX取引サービスの実現に向け、SBIリクイディティ・マーケット、SBI FXトレードと日本マイクロソフトが連携

https://news.microsoft.com/ja-jp/2017/02/15/170215-ai-sbi-microsoft/

事例ビデオ:

https://www.youtube.com/watch?time_continue=4&v=SxLp7bRD8FQ

 

前述のようなコールセンターだけでなく、まだ実証実験の段階も含め、最近は病院やホテル、大規模商業施設などのホスピタリティ系のサービスを提供する場面でもAIの活用が進んでいるようです。

近い将来、「ショッピングモール等の広大な敷地を有する場所で迷い、スタッフが見つからず途方に暮れる」といった心配がなくなるとしたら、顧客にとっての利便性がいま以上に高まることでしょう。

 

顧客接点でのAI活用事例:顧客に寄り添うチャットボット

大手コンビニチェーンを展開するローソン様の未来型コンビニに関する事例も紹介されていました。同社の取り組みは各種メディアでもよく取り上げられていますが、中でもLINE のチャットボット「ローソンクルーあきこちゃん」は特に有名ですね。

このあきこちゃん、ベースになっているのは高校生AIとして話題になった「りんなちゃん」なのだそうです。

りんなちゃんは、ご存知の通りMicrosoft社が高校生アカウントとして運用し、機械学習させていたAIです。ここで培った技術がクライアントに有効活用されている、というのは興味深いことですね。

ローソンの取り組みについては、MicrosoftAzureのサイトで詳しく紹介されているので、ぜひご一読ください。

 

ローソン様

▶もっと「人に近い」コンビニへ。ローソンの挑戦。その独自戦略とは?

https://www.microsoft.com/ja-jp/biz/nowon-azure/lawson.aspx

 

顧客接点でのAI活用事例:多言語対応のチャットボット

MicrosoftAzureの場合、日本語よりも外国語の方が実績は多いということで、旅行会社がAIを活用している事例も紹介されていました。なかには、日・英・中の3ヶ国語に対応するというケースもあるようです。

この事例は、海外のクライアントだけでなく、インバウンド需要に対応している企業にとっても一見の価値があるものだと思います。

MicrosoftAzureのサイトでは、JTB様の事例が取り上げられています。

2020年に向けて訪日外国人旅行客への対応を求める声はさらに高まることでしょう。そうした業界に携わる方にはとても参考になるのではないかと思います。

 

JTB

▶すべての訪日外国人の旅行客に満足を――AI や API エコノミーの仕組みを実装した観光支援アプリの提供で “インバウンド エコシステム” の実現を目指す、JTB

https://customers.microsoft.com/ja-jp/story/jtb-travel-azure-cognitive-bot-jp-japan

 

人材不足に対応するためのチャットボット活用

近年、主な働き手となる年齢層、いわゆる労働生産人口が減少していることが問題視されています。また、製造業を中心に、熟練者の技術を次世代の担い手に引き継ぎ切れないことが課題になっているとも聞かれます。

そうした問題に端を発する人材不足に加え、季節によって仕事のボリュームが大きく変動し、ある季節は仕事が過密状態になり働き手のワーク・ライフ・バランスが崩れたり、顧客へのサービスレベルが一定に保てなかったり、といった課題を抱える企業もあるようです。

セミナーでは、そんな課題を解決しようと取り組む企業として、空調機器の世界的メーカーであるダイキン様の事例が紹介されていました。

エアコンが故障し、修理の依頼が集中する時期と言えばやはり夏前から夏場だそうですが、これまではその依頼に対応し切れないケースもあったようです。

これを、チャットボットで「どこに問題がありますか?」というふうに確認をしていくことで素早く一次対応し、顧客の不安をなるべく早く解消できるよう取り組みを始めた、とのことです。

 

ダイキン様

▶エアコンの故障診断に Azure AI を活用したチャットボットを導入、自動応答で素早く対応することで顧客満足のさらなる向上へ

https://customers.microsoft.com/ja-jp/story/daikin-bot-framework-azure-luis-app-sql-database-jp-japan

故障診断にチャットボットを導入し自動応答で応対すること自体は技術的には難しくないことだと思います。

しかし、近年のエアコンなどの機器はIoT化しているので、たとえばエアコン側から故障や不具合のデータがセンターに送られ、その情報を元により高度なサービスを顧客に提供していくことも可能になっていくのだろうと考えられます。IoTとチャットボットとの連携は、今後大きく広がっていくと予想されます。

 

言語周りの処理能力が飛躍的に向上したことで活用の幅がさらに広がる

最近は、音声を認識して自動的にオーダーリストを作る、というAI活用の事例も出てきています。これは飲食業や小売業から製造業まで、幅広い業界にニーズがありそうです。

ただ、たとえば飲食店でオーダーをする際、「AセットとBセット」と言いながら、途中でオーダーや数量を変更する、といったことは多々あるもの。そのため、音声データをそのまま文字起こししたままの状態をオーダーリストとして送ってしまうと、結局のところどれが最終的なオーダーか分からず、現場を混乱させてしまうことにもなりかねません。

しかし、MicrosoftAzureを活用した事例では、「最終的にはこういうオーダーですよね」という“まとめの生成”まで対応できるようになっています。これなら、精度が上がることで、ひとのスタッフが対応するよりもオーダーミスを防ぐことにすらつながるかもしれません。

AI活用の方法については、しばらくの間「どう活用したらいいのか分からない」「本当に使えるのか?」など、その可能性がイマイチ掴みづらいと言われる時期がありました。しかし、近頃は確実に実践的に活用がなされるようになり、実績も増えてきたように感じます。

今回紹介したような新しい取り組みを知ると、より多様なアイデアが湧いてくるでしょうし、新しいチャレンジを提案する機会も増えていくのではないかと思います。

 

その他、注目したいMicrosoftAzureの事例

チャット以外にも、データ分析に活用されているのも、見逃せません。

 

エイベックス様

▶より満足度の高いライヴ イベントの実現に向け、AI を活用した来場者分析システムを開発

https://news.microsoft.com/ja-jp/2017/09/01/170901-avex-microsoft-faceapi/

事例ビデオ:

https://www.youtube.com/watch?v=j89-o9EqhmY

 

電通

▶電通がスタートした日本初の「人工知能型 OOH 広告」

https://customers.microsoft.com/en-us/story/dentsu-media-azure-jp-japan

事例ビデオ:

https://www.youtube.com/watch?v=gSdoMXitIvw

 

*MicrosoftAzure

ビジネス上の課題への対応を支援するために絶えず拡大を続けるクラウド サービスの集合体です。世界規模の巨大なネットワークに対し、お気に入りのツールやフレームワークを使ってアプリケーションを自在に構築、管理、デプロイすることができます。

https://azure.microsoft.com/ja-jp/overview/what-is-azure/ より)