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2020.03.26

危機を乗り越えるために:5つのチェックリスト

ライター:電通アイソバー CXストラテジー本部 部長 Jenessa Carder

企業のリーダーとして自社の将来を考えた際に、これまでは自社の将来に必要なスキルに重点を置いた人材育成プランを構想されていたことと思います。こういったスキルは、ほとんどが業務ベースもしくは役割ベースのスキルだと思いますが、危機管理について何か重点的な取り組みはしていらっしゃいますか?

アメリカでは人口の43%の人々がテレワーク(在宅勤務)に慣れており、日常的にリモートで仕事をしていますが、ここ東京でもウィルスの大流行をきっかけに、この勤務形態に適用できるようにしておくことの重要性が注目されています。他の危機的状況が発生した時と同様、自社の従業員を在宅勤務させる準備を行い、実践してください。そのためのプロセスを記録してください。そして、その計画に誰もがアクセスできる環境を整えてください。実際に危機的な状況が発生する前に実践し、習慣化するまで進めましょう。

危機的状況により日常の業務が混乱に陥り崩壊してしまうと、コミュニケーションに支障が起こり、セキュリティ面が脆弱となり、迅速に問題を解決することが困難になります。危機的状況の規模や度合いが全て同じという訳ではありませんが、企業は日頃から準備し、従業員がそれに適応することはできます。そのような対策を講じている企業は将来の危機にしっかりとした備えができており、危機的状況の最中においても生産性が向上するのです。

従業員に事前の備えをしてもらうために以下の5つのテーマについて考えてみてください。

1.プロジェクトおよびコミュニケーションに関する技術

● 従業員が職場に保存してある個々のファイルにどのようにしてアクセスするのか。クラウド化されているインフラはどの程度あるのか。

● プロジェクトの進行状態についてどのように連絡をとるのか、互いの連絡手段は? 現在、どのくらい直接会ってやりとりを進めているのか。

● 大人数が集まるクライアントとの会議で従業員がプレゼン資料をどのような形で提示しているのか。他の技術を用いて会議を行う場合、どんな形の会議で従業員をサポートすることができるか。

2.セキュリティ

● オンラインを使った共有ツールを使うと、共有するつもりではなかった書類や画像までもが共有されてしまうという結果になり得る。共有画面にはどんな脆弱性があるのか、またそれを回避するにはどうしたらいいのか。(例、デスクトップ、同じスクリーンに別の複数のタブがある。他のファイルが同時に開いている)

● 在宅勤務をするには普段より密なコミュニケーションが必要になる。電話会議の重複や、会議が連続する状況を回避するにはどうすればよいのか。

● 書面でのやり取りが多い場合、紙のファイルを安全に保管するにはどうすればよいのか。

3.在宅でオフィス同様の環境を整えるには

● 全ての従業員の家にWi-Fi環境がある訳ではなく、あっても不安定な場合がある。全従業員に安定してWi-Fi環境を供給するにはどうすればよいのか。

● 全ての従業員が静かな環境や仕事をするのに相応しい環境を確保できるとは限らない。ルームメイトと同居している人がいる場合もあるだろうし、ペットや子供がいて家が騒がしい場合もある。仕事をするのに適した環境を整える、あるいは騒がしい場所でも快適に仕事ができるよう協力体制を整えるにはどうすればよいか。

● 会社では必要な備品が常に用意されているが、家庭ではそうはいかない。従業員が紙やペン、プリンターなどが必要になった場合、どうやって供給すればよいのか。

● 例えば費用の算出など、業務の中には手作業や旧式の方法で実施しているものがある。在宅勤務では従業員がどうすればこのような業務をすることができるのか。

4.個人のスペースおよび仕事とプライベートの境界

● 在宅勤務をすることにより、通勤に費やしていた時間が削減され、時間の余裕が生じる。従って、就業時間が増える。従業員の就業時間とプライベートな時間の境界をどう設定すればよいか。

● 在宅勤務をするということは、個人のスペースを職場にするということである。従業員が個人のスペースで仕事とプライベートをどうやって区別すればよいのか。

● 従業員が仕事をする時間が増え、これまでよりも座る時間が長くなり、体を動かす機会が少なくなる。家にいる間に従業員の健康管理や運動を促すにはどうすればよいのか。

5.メンタルヘルス

● 会社に通勤しないため、定期的に人と顔を合わせる機会が減ってしまう。会社のような社会的な雰囲気を自宅にいながらどう再現し、メールのやり取り以上の人と人との交流の場を定期的に設けるには、どうすればいいのか。

● 誕生日や記念日を祝うといった慣習が会社の文化として浸透している場合もある。こういった行事をオンライン環境でどう置き換えることができるのか。

● コンピュータースクリーンしかない環境では、社員の功績を公に称えることができない。社員の功績を表彰するための伝達手段をどのように構築すればよいのか。