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2020.03.25

ユーザー体験を重視することで今起きている供給危機を乗り越える

ライター:電通アイソバー CXストラテジー本部 部長 Jenessa Carder

新型コロナウイルスの影響が世界中に広がる中、テレワーク(在宅勤務)で仕事をするよう社員に要請する企業が増加しています。しかし、全ての業種で在宅勤務が可能なわけではなく、最も深刻な影響を受けるのが製造業です。

Brookings研究所の報告によれば、製造業は中国のGDPの27%を占め、世界のGDPの20%を占めています。サプライチェーンを多様化していない企業は、原料、完成品のいずれも供給に遅れが生じているため影響をダイレクトに受けます。CNBCによると約22%の企業がサプライチェーンの課題を報告しています。

今のところ供給不足は社内の問題だけに留まっていますが、いずれ公になりこの先の在庫確保に影響をきたします。品薄の状態が続けば、顧客は不満を募らせます。現に、マスクや手指消毒剤が思うように手に入らず、顧客はすでに不満を抱えていますが、そのうち洋服からビタミン剤まであらゆる物にも影響が及ぶ可能性があります。

製造元を複数のメーカーに分散させることは在庫の問題を解決する一つの方法ではありますが、もう一つの、おそらくより迅速に対応できる方法は、エンドユーザの顧客体験にヒントがあります。

大手小売業者はERPのようなバックエンドのデータを活用し、顧客が必要な情報を十分に得た上で「買う、買わない」の判断ができるオンラインショッピング体験を提供しています。バックエンドデータの活用は、保守的なアプローチから非常に透明性の高いアプローチまで多岐にわたっており、商品検索、商品ページおよび、支払い手続といった一連の顧客体験の重要な分野に重点を置く傾向があります。

保守的なアプローチをご紹介すると、ブランドは「在庫残り2品」、または「在庫なし」といった情報を通知する機能を商品購入のフローに組み込んでいます。この最たる例が、購入不可の場合に顧客をすぐに別の選択肢へと誘導することで、たとえ欲しい商品が買えなかったとしてもすぐに代替案を提案することができるというものです。例えば、希望する商品の在庫がなかった場合、色違いやサイズ違いで検討してもらうことが可能となります。

もう少し透明性の高いアプローチでは、顧客が店ごとに在庫確認できるようにします。多くの場合、在庫情報は購買のボタンと共に出されます。

購買体験をさらに充実させるために、多くの小売業者はお客様がオンラインで注文を行い店で商品の受け取りができるという選択肢を設けています。

オンラインショッピングの顧客の利便性をさらに高めるために、顧客の都合に合わせ出荷、配達を行う、あるいは店頭での商品受け取り時間が指定できるサービスを行う小売業者もいます。

オンラインショッピングでは物理的に商品を置く訳ではないので、その店で購入可能な在庫量を表示することでより透明性の高い状態を作ることができます。プログレスバーやタイムスタンプを活用することで、この例ではおおよその販売率を表示しています。

在庫の有無が示されているというのが顧客にとっては理想的なのですが、これが現実的ではないということがあります。「商品を買いたいけれどいつ入荷されるのか分からない」あるいは、「どうやってその商品を見つければいいのか分からない」ということになりかねません。その場合、そういった顧客の不満の原点に立ち返ることが重要です。顧客に商品の入荷時期を知らせる電子メールトリガー機能を商品ページに統合することで、必要最低限の顧客ニーズに応えることができます。

この春の生産落ち込みの影響は、この1年を通じて続くことが予想されますが、だからといって顧客をがっかりさせる訳にはいきません。現在、顧客体験に力を入れているブランドは、夏の間、顧客のEコマース体験をより充実させるために尽力することで、秋の買い物シーズンに突入した際には顧客を中心としたアプローチを打ち出すことができ、それが固定客を増やす足掛かりとなるのです。企業のマーケティング最高責任者(CMO)を支援するNPO団体CMOカウンシルは「顧客の47%は品揃えが悪く不満が募るといった経験をさせられたブランドからは商品を購入するのをやめる」という調査結果を明らかにしています。秋に商品の在庫数が足りないということになればお客様は苛立ちを隠せないでしょうが、これから春夏を迎えるという時期なので、その期間を利用して対策を講じて顧客の不満を最小限に留める努力をしましょう。今すぐ行動に移すべきです!

Isobarは顧客体験に関するビジネスに従事しています。当社に在籍する6,500名のチームメンバーが小売業者をはじめ世界中の企業の業務の進め方を変化させるお手伝いをしています。主な顧客は業界の有名企業や高い評価を得る地域ブランドです。サプライチェーンの問題でお悩みでしたら、ぜひエンドユーザーの顧客体験を変えることで解決の糸口を見つけるお手伝をさせてください。ご連絡お待ちしています。